f_の日記
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 影法師

桜が散り
風の薫りに懐かしむ

けれど同じ春など一度としてなくて

どんなに愛おしくても
どんなに満ち足りていても

散りゆく春が
決められているから

それを誤魔化さずに
どうか今をうたおう

やわらかな日差しが
どんなに覆い隠しても

同じでいられることなど
けしてないのだから

少しまどろんだら
忘れてしまわないように

錆びついてきたたましいに
静かに今日を刻もう

次に降る雪に
次に吹く風に

こころがたすけを
請う前に

2007年04月25日(水)
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