FILL-MIND [フィルマインド]心情記 

   
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2002年11月14日(木)  ■不条理■

どうしてこんなに貪欲なのだろうと、時々自分を思う。

皆大切で、皆失えない。今、手の内にあるものだけさえ途方に暮れて嘆いているのに、新たな出会いは絶えず私に可能性を挑む。
その都度、与えてくれる何かを得ようと止まない。傷つくことも悲しむことも知っているのに、何故いつも愚かさを繰り返すのだろう。

訪れるものすべてが欲しくて。
縁あって出会えたわずかな理解者を、本心から誰も失いたくないと願ってきた。失わずに吸収し続けられる方法を模索するのに、感情はいつも邪魔をする。失うように仕向けていく。悲しみは責める。

何かを代償に何かを失うという考え方は私は本質的には嫌いだ。
何かにとって変われるものなど、始めから継続に値するものではなかったと考える。何者にも変えられない価値というものを尊ぶ。あるいは、その時の役割を終えたから、自然の摂理のように、失われていくのだと思う。

逆の立場なら、私ではなくても良かったから、始めから私がそこにいる必要はなかったのだろう。あるいは、私の役割はまっとうされたから、離れていくべきして離れていったのだ。

失えないと足掻く時、それを醜態だと私は思う。思うのに足掻く。人は不出来な生き物だから。よけいに悲しさが増していく。

人の出会いにある不条理。失わせる仕組み。迷い。悩み。
私は貪欲な自分を、考えざるを得ない。



 
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