度々旅
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2003年12月25日(木)

 実家で犬の散歩に土手を歩く。幼き頃、小学校の校庭はとても広く感じたが、今みるとそれ程広くない。そういうものがたくさんある。そういうものの中で、この土手だけは相変わらず広いままだ。大きいままだ。あたしの原風景はこれだと毎回思う。
 祖父は、もう私のことを認識することができない。現在の施設は、ほったらかしにしておく場所なので、父母が毎日通って車椅子を使って体を動かせている。その甲斐あって、車椅子に腰掛けながら、足で車椅子を漕ぐように前進するようになった。やっぱり、声をかけ、甘えさせず、動くようにさせるのはよいのだなと。食欲は旺盛。もりもり食べている。動いている姿や、食べている様子はぜんまい仕掛けの人形のように見えなくもない。
 クリスマスプレゼントにあげた靴下を、食べものと間違えて口にしようとしていた。それさえ、もうかわいく見える。3度くらい、「じいちゃん、クリスマスプレゼントだよ」と渡しては、袋を開けさせた。毎度反応が異なり、時々やけにクリアになり、少しの笑顔を見れた。
 施設にいる年寄りは、預けたまま、まったく家族が来ない人もいる。父母は、そんな年寄りみんなに声をかけて、「〜さん元気?」なんて話しかけている。祖母も見てきたので、父も母も呆け老人との付き合いは慣れたものだ。壊れた人間を、人間としての優しさをもって接することができる父と母をみて、自分もああなりたいものだなと思った。
 祖父の爪の色はとても綺麗な色をしていた。


こげんき |MAILBBS

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