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夜の街を歩く 今日も あと2時間で終わる 迷うくせに 知らない道を選ぶ 迷うくせに また
鋭利な切り口の 上弦の月 思わず足が止まった 大きくて 落ち着いた色合い いつもの 白光りする 細く頼りない月とは 違う キミは いろんな顔を見せるね 燦燦と輝く 太陽よりも 私はやっぱり キミの方が好きだ
車の音に 足音は消えて 自分が 夜に溶け込んでいくのが わかった 輝くネオンも 今日は独り占め あの場所は また違う顔になっていた いつからだろう 何度目だろう 意地悪な信号も 夜の私には 何故か優しい
空に星はなく
レストランの誘惑の香りが私を捕まえる 淡い束縛 やがて消える
吸い込まれそうな闇を見た 足元から伸びる 自分の影が そこへ取り込まれていた
家までもう少し
星が、見えた。
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