ここ、どうするんですかって後輩が訊いてきたから。それはね、と背後に立って、手元を覗き込むようにして教える。後輩、真剣な顔で同じ方向を見て聞いてた。あ。あの人の匂いがする。同じシャンプーなんだろうな。同じ匂いがする。私はそれだけで欲情する。何でも無い顔で、じゃあやってみてごらん、何て言いながら、没頭した彼女の後頭部に鼻を近付け、そっとその匂いを一呼吸だけ嗅いだ。