愛玩人形の抱き方+
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「猫ってさ」 「ん」 「水に落っこちると、小さないきものになるよね」 「小さな?」 「濡れて毛がはりついてさ。普段はその三倍くらいあるのに」 「あはは、そういうこと」 「うん。で、目が三角になっちゃってさ、寂しそうなの」 「そうだねえ」 「可哀想だからって、タオルで拭いてやろうと近づけば威嚇するし」 「うん」 「ドライヤーで乾かしてあげようと思ったら、音が怖いって逃げるし」 「うん」
「水に落ちてるってこと、気付いてもらえてる?」 「…さあ。どうだろ。分からない、あの人が何を考えてるかなんて」
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