あなたがまだくれるやさしさはまやかしだと、そう決めたのはわたしで、だってそう思っていれば、つらくされた時さほど痛くない、けれど、やさしくされた時、こんなにもわたしは冷えたままで、いつかのようにあたたまったりは、しなくなってしまったのでした。それでも、その感覚はふかふかの毛布のようで、あたたかくならなくても、いたくないので、記憶の中から引きずり出した心地良さにほほえんで目を閉じる。