理人の顔をまじまじと見た。く、く、黒い。
休暇中、一日中飽きることなく、魚のように水の中にいた。 ママが日焼け止めを持って、水辺に到着するのが待ちくれず、 すでに水の中。日焼け止めを塗るからあがってきなさい! と 怒鳴るのも結構エネルギーを使うので、毎度のことだし、そのままにしておいた。 夏の日焼けが抜けていないから、追い焼きしてもそれほど皮膚に ダメージはないだろう。
テネリファ島の気温は、朝晩は長袖を着ないといけないけど、 日中は20数度まであがる。 プールの水温は多少加熱してあるかもしれないけど、海は自然のまま。 ホテルの近くの海辺では、水が冷たくてもみんな泳いでいた。 私も遠浅の海をちょっとだけ沖のほうまで歩いて、 腰あたりまで濡らしてみたけど、さすがに首までつかる勇気はなかった。 あとは太陽の光を浴びて、岩場の防波堤の上から一人海を眺めていた。 子供たちは波打ち際で貝を探したり、楽しそうに波と戯れていた。
沖では、何かを呑み込むような高波がいくつもできていた。 あっという間にサーファーお兄さんがいっぱい集まってきた。 波を待っているサーファーの頭が、アザラシみたいに波間に浮かんでいた。 根気強くいくつもの小さな波をやりすごして、遠くから迫ってくる大きな波を待つ。次こそは・・・という、彼らの気迫が岸辺のこちらまで伝わってくるようだった。
こうして沖のサーファーを眺めていると、 かつての学生時代がよみがえってきた。 周りにたくさんサーファーの友達いたからなぁ。
学生気分のまま夕食時にワインでもあけよっかな、なんて思いながら、一番上手なサーファーを目で追った。
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