母と妹の笑顔と共にやってきた電子ピアノは、本当のピアノみたいで、私は踊った。
ちっぽけな悩みを無視して久々の買い物モードに入った私は、コンバースのスニーカーと、 染めもののTシャツを購入。 そう、嘘のように上がったり下がったりな私。 今作っている万華鏡のように。 万華鏡はやめてしまう先輩にあげるのだ。
でもこんな私。普通じゃ無いね。 妹が何度もくれるメールに、一度も返せなかった。 次の日会社に行ったらもっとショックな事があって、もう恋ザタどころではなかったの。
覚悟はしてたよ、人事移動の激しい、所詮は派遣アルバイト。 でもこんなに急ってありえる?
センター廃止はなくなったけど、センター業務がまっぷたつになりそうだ。 しかも2月中に。みんなとまっぷたつ? 一番頼りにして慕っていた男の先輩が先陣で移動が決まった。 いやでいやで、本当に涙がこぼれそうになった。 いまでも一杯一杯なココから上の人間を出すなんて。 しかも頼れる女先輩は今月で終わりなのに。 さらに7人が出る。明日発表だけどリーダーに聞いた。私はここに残る陣。
TさんとMは私と一緒。 それが救い。本当に救い。 もし今、どちらとも離れてしまったら私はダメだから。
いずれはみんな、順次移動してまた一緒のところに集まるって言う話だった。 でもそれすら、信じられない。怖い。
Mがしきりに「やばいな」と、私の顔を伺いながら相談にきた。 私がまじ泣きしそうなのわかってかわからないでか、「やめるなよ」って言って来た。
「幸せ」を満喫できていたと思う。 私は仲間と力を合わせて同じ目的をこなす、素晴らしい機会を得られたのだから。 今しか無いと思って、そうしてきたのでしょう? 後悔なんて、ないでしょう?そう、これはただの名残り惜しみ。
先輩に何度目の前で「行かないで」「やだ」「寂しい」と言ったかわからない。
やだよ。行かないで。
次にここを運営してくのは、Mと私ともう2人の代。 先輩は今必死に私を育てようと仕事を任せてくれてる。 あと少ししかないこの時間をどう遣うか、勝負なんだ。 どれだけのことを私はあなた達から学べる? 仕事のことだけじゃないんだよ。
私は決して、負けたく無いよ。
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