いちごみるくの飴を一粒可愛いお口に放り込んだ。ピンク色の愛らしいほっぺを持つ小さな少女は精一杯の笑顔を浮かべて飴をお口の中で転がした。嬉しそうに微笑む少女。少女はさわやか過ぎる甘酸っぱさに切なくなって泣いた。だけどすぐに涙を隠すように鏡の前で笑った。鏡の中の少女はあまりにも冷酷な笑みを浮かべて立っていた。少女は何も知らない。そして誰も何も知らない。