| 2002年03月08日(金) |
第7章 鑑定評価の方式��
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(3)収益還元法について � …樟楷垳桔,療�用について ア 一期間の純収益の算定について 直接還元法の適用において還元対象となる一期間の純収益と、それに対応して採用される還元利回りは、その把握の仕方において整合がとれたものでなければならない。 すなわち、還元対象となる一期間の純収益として、ある一定期間の標準化されたものを採用する場合には、還元利回りもそれに対応したものを採用することが必要である。また、建物その他の償却資産(以下「建物等」という。)を含む不動産の純収益の算定においては、基本的に減価償却費を控除しない償却前の純収益を用いるべきであり、それに対応した還元利回りで還元する必要がある。 P:建物等の収益価格 a:建物等の償却前の純収益 R:償却前の純収益に対応する還元利回り 一方、減価償却費を控除した償却後の純収益を用いる場合には、還元利回りも償却後の純収益に対応するものを用いなければならない。 減価償却費の算定方法には定額法、償還基金率を用いる方法等があり、適切に用いることが必要である。 P:建物等の収益価格 a':建物等の償却後の純収益 R':償却後の純収益に対応する還元利回り なお、減価償却費と償却前の純収益に対応する還元利回りを用いて償却後の純収益に対応する還元利回りを求める式は以下のとおりである。 R':償却後の純収益に対応する還元利回り R:償却前の純収益に対応する還元利回り a':償却後の純収益 d:減価償却費 イ 土地残余法又は建物残余法 不動産が敷地と建物等との結合によって構成されている場合において、収益還元法以外の手法によって敷地と建物等のいずれか一方の価格を求めることができるときは、当該不動産に基づく純収益から建物等又は敷地に帰属する純収益を控除した残余の純収益を還元利回りで還元する手法(土地残余法又は建物残余法という。)を適用することができる。 これらの方法は、土地と建物等から構成される複合不動産が生み出す純収益を土地又は建物等に適正に配分することができる場合に有効である。 土地残余法を適用するに当たっては、建物等が古い場合には複合不動産の生み出す純収益から土地に帰属する純収益が的確に求められないことが多いので、建物等は新築か築後間もないものでなければならない。なお、対象不動産が更地である場合においても、当該土地に最有効使用の賃貸用建物等の建築を想定することによりこの方法を適用することができる。 (ア)土地残余法 土地残余法を適用して土地の収益価格を求める場合は、基本的に次の式により表される。 PL:土地の収益価格 a:建物等及びその敷地の償却前の純収益 B:建物等の価格 RB:建物等の還元利回り RL:償却前の純収益に対応する土地の還元利回り (イ)建物残余法 建物残余法を適用して建物等の収益価格を求める場合は、基本的に次の式により表される。 PB:建物等の収益価格 a:建物等及びその敷地の償却前の純収益 L:土地の価格 RL:土地の還元利回 RB:償却前の純収益に対応する建物等の還元利回り ウ 有期還元法 不動産が敷地と建物等との結合により構成されている場合において、その収益価格を、不動産賃貸又は賃貸以外の事業の用に供する不動産経営に基づく償却前の純収益に割引率と有限の収益期間とを基礎とした複利年金現価率を乗じて求める方法があり、基本的に次の式により表される。 P:建物等及びその敷地の収益価格 a:建物等及びその敷地の償却前の純収益 Y:割引率 N:収益期間(収益が得られると予測する期間であり、ここでは建物等の経済的残存耐用年数と一致する場合を指す。) (1+Y)N−1 ――――――――:複利年金現価率 Y(1+Y)N なお、複利年金現価率を用い、収益期間満了時における土地又は建物等の残存価格並びに建物等の撤去費が予想されるときには、それらの額を現在価値に換算した額を加減する方法(インウッド式)がある。この方法の考え方に基づき、割引率を用いた式を示すと次のようになる。 又は P:建物等及びその敷地の収益価格 a:建物等及びその敷地の償却前の純収益 Y:割引率 N,n:収益期間(収益が得られると予測する期間であり、ここでは建物等の経済的残存耐用年数と一致する場合にはN、建物等の経済的残存耐用年数より短い期間である場合はnとする。) PLn:n年後の土地価格 PBn:n年後の建物等の価格 PLN:N年後の土地価格 E:建物等の撒去費 また、上記複利年金現価率の代わりに蓄積利回り等を基礎とした償還基金率と割引率とを用いる方法(ホスコルド式)がある。 この方法の考え方に基づき、割引率を用いた式を示すと次のようになる。 又は P:建物等及びその敷地の収益価格 a:建物等及びその敷地の償却前の純収益 Y:割引率 i:蓄積利回り N,n:収益期間(収益が得られると予測する期間であり、ここでは建物等の経済的残存耐用年数と一致する場合にはN、建物等の経済的残存耐用年数より短い期間である場合はnとする。) i ――――――――:償還基金率 (1+i)n−1 PLn:n年後の土地価格 PBn:n年後の建物等の価格 PLN:N年後の土地価格 E:建物等の撒去費 エ 還元利回りの求め方 還元利回りは、市場の実勢を反映した利回りとして求める必要があり、還元対象となる純収益の変動予測を含むものであることから、それらの予測を的確に行い、還元利回りに反映させる必要がある。還元利回りを求める方法を例示すれば次のとおりであるが、適用に当たっては、次の方法から一つの方法を採用する場合又は複数の方法を組み合わせて採用する場合がある。また、必要に応じ、投資家等の意見や整備された不動産インデックス等を参考として活用する。 (ア)類似の不動産の取引事例との比較から求める方法 取引事例の収集及び選択については、「総論第7章 鑑定評価の方式」に規定する取引事例比較法の適用方法に準ずる。 取引事例から得られる利回り(以下「取引利回り」という。)については、償却前後のいずれの純収益に対応するものであるかに留意する必要がある。あわせて純収益について特殊な要因(新築、建替え直後で稼働率が不安定である等)があり、適切に補正ができない取引事例は採用すべきでないことに留意する必要がある。 この方法は、対象不動産と類似性の高い取引事例に係る取引利回りが豊富に収集可能な場合には特に有効である。 (イ)借入金と自己資金に係る還元利回りから求める方法 この方法は、不動産の取得に際し標準的な資金調達能力を有する需要者の資金調達の要素に着目した方法であり、不動産投資に係る利回り及び資金調達に際する金融市場の動向を反映させることに優れている。 上記による求め方は基本的に次の式により表される。 R=RM×WM+RE×WE R:還元利回り RM:借入金還元利回り WM:借入金割合 RE:自己資金還元利回り WE:自己資金割合 (ウ)土地と建物等に係る還元利回りから求める方法 この方法は、対象不動産が土地及び建物等により構成されている場合に、土地及び建物等に係る利回りが異なるものとして把握される市場においてそれらの動向を反映させることに優れている。 上記による求め方は基本的に次の式により表される。 R=RL×WL+RB×WB R:還元利回り RL:土地の還元利回り WL:土地の価格割合 RB:建物等の還元利回り WB:建物等の価格割合 (エ)割引率との関係から求める方法 この方法は、純収益が永続的に得られる場合で、かつ純収益が一定の趨勢を有すると想定される場合に有効である。 還元利回りと割引率との関係を表す式の例は、次のように表される。 R=Y−g R:還元利回り Y:割引率 g:純収益の変動率 (オ)借入金償還余裕率の活用による方法 この方法は、借入金還元利回りと借入金割合をもとに、借入金償還余裕率(ある期間の純収益を同期間の借入金元利返済額で除した値をいう。)を用いて対象不動産に係る純収益からみた借入金償還の安全性を加味して還元利回りを求めるものである。 この場合において用いられる借入金償還余裕率は、借入期間の平均純収益をもとに算定すべきことに留意する必要がある。この方法は、不動産の購入者の資金調達に着目し、対象不動産から得られる収益のみを借入金の返済原資とする場合に有効である。 上記による求め方は基本的に次の式により表される。 R=RM×WM×DSCR R:還元利回り RM:借入金還元利回り WM:借入金割合 DSCR:借入金償還余裕率(通常は1.0以上であることが必要。) �◆。庁達橡,療�用について DCF法は、連続する複数の期間に発生する純収益及び復帰価格を予測しそれらを明示することから、収益価格を求める過程について説明性に優れたものである。 ア 毎期の純収益の算定について 建物等の純収益の算定においては、基本的には減価償却費を控除しない償却前の純収益を用いるものとし、建物等の償却については復帰価格において考慮される。 (ア)総収益の算定 一時金のうち預り金的性格を有する保証金等については、全額を返還準備金として預託することを想定しその運用益を発生時に計上する方法と全額を受渡時の収入又は支出として計上する方法とがある。 (イ)総費用の算定 大規模修繕費等の費用については、当該費用を毎期の積み立てとして計上する方法と、実際に支出される時期に計上する方法がある。実際に支出される時期の予測は、対象不動産の実態に応じて適切に行う必要がある。 イ 割引率の求め方について 割引率は、市場の実勢を反映した利回りとして求める必要があり、一般に1年を単位として求める。また、割引率は収益見通しにおいて考慮されなかった収益予測の不確実性の程度に応じて異なることに留意する。 割引率を求める方法を例示すれば次のとおりであるが、適用に当たっては、下記の方法から一つの方法を採用する場合又は複数の方法を組み合わせて採用する場合がある。また、必要に応じ、投資家等の意見や整備された不動産インデックス等を参考として活用する。 (ア)類似の不動産の取引事例との比較から求める方法 取引事例の収集及び選択については、「総論第7章 鑑定評価の方式」に規定する取引事例比較法に係る適用方法に準ずる。 取引事例に係る割引率は、基本的に取引利回りをもとに算定される内部収益率(Internal Rateof Return(IRR)。将来収益の現在価値と当初投資元本とを等しくする割引率をいう。)として求める。適用に当たっては、取引事例について毎期の純収益が予測可能であることが必要である。 この方法は、対象不動産と類似性を有する取引事例に係る利回りが豊富に収集可能な場合には特に有効である。 (イ)借入金と自己資金に係る割引率から求める方法 この方法は、不動産購入者の資金調達コストに着目したものであり、不動産投資に係る利回り及び資金調達に際する金融市場の動向を反映させることに優れている。適用に当たっては、不動産投資において典型的な投資家が想定する借入金割合及び自己資金割合を基本とすることが必要である。 上記による求め方は基本的に次の式により表される。 Y=YM×WM+YE×WE Y:割引率 YM:借入金割引率 WM:借入金割合 YE:自己資金割引率 WE:自己資金割合 (ウ)金融資産の利回りに不動産の個別性を加味して求める方法 比較の対象となる金融資産の利回りとしては、一般に10年物国債の利回りが用いられる。また、株式や社債の利回り等が比較対象として用いられることもある。 不動産の個別性として加味されるものには、投資対象としての危険性、非流動性、管理の困難性、資産としての安全性があり、それらは自然災害等の発生や土地利用に関する計画及び規制の変更によってその価値が変動する可能性が高いこと、希望する時期に必ずしも適切な買い手が見つかるとは限らないこと、賃貸経営管理について専門的な知識と経験を必要とするものであり管理の良否によっては得られる収益が異なること、特に土地については一般に滅失することがないことなどをいう。 この方法は、対象不動産から生ずる収益予測の不確実性が金融資産との比較において把握可能な場合に有効である。 ウ 保有期間(売却を想定しない場合には分析期間)について 保有期間は、毎期の純収益及び復帰価格について精度の高い予測が可能な期間として決定する必要があり、不動産投資における典型的な投資家が保有する期間を標準とし、典型的な投資家が一般に想定しないような長期にわたる期間を設定してはならない。 エ 復帰価格の求め方について 保有期間満了時点において売却を想定する場合には、売却に要する費用を控除することが必要である。 復帰価格を求める際に、n+1期の純収益を最終還元利回りで還元して求める場合においては、n+1期以降の純収益の変動予測及び予測に伴う不確実性をn+1期の純収益及び最終還元利回りに的確に反映させることが必要である。 なお、保有期間満了時点以降において、建物の取壊しや用途変更が既に計画されている場合又は建物が老朽化していること等により取壊し等が見込まれる場合においては、それらに要する費用を考慮して復帰価格を求めることが必要である。 オ 最終還元利回りの求め方について 最終還元利回りは、価格時点の還元利回りをもとに、保有期間満了時点における市場動向並びにそれ以降の収益の変動予測及び予測に伴う不確実性を反映させて求めることが必要である。 2.賃料を求める鑑定評価の手法について (1)積算法について 基礎価格を求めるに当たっては、次に掲げる事項に留意する必要がある。 � ‖霖呂猟体繊覆い錣罎訝和紂砲魑瓩瓩訃豺� ア 最有効使用が可能な場合は、更地の経済価値に即応した価格である。 イ 建物の所有を目的とする賃貸借等の場合で契約により敷地の最有効使用が見込めないときは、当該契約条件を前提とする建付地としての経済価値に即応した価格である。 �◆〃�物及びその敷地の賃料(いわゆる家賃)を求める場合 建物及びその敷地の現状に基づく利用を前提として成り立つ当該建物及びその敷地の経済価値に即応した価格である。 (2)賃貸事例比較法について � 〇�例の選択について ア 賃貸借等の事例の選択に当たっては、新規賃料、継続賃料の別又は建物の用途の別により賃料水準が異なるのが一般的であることに留意して、できる限り対象不動産に類似した事例を選択すべきである。 イ 契約内容の類似性を判断する際の留意事項を例示すれば、次のとおりである。 (ア)賃貸形式 (イ)賃貸面積 (ウ)契約期間並びに経過期間及び残存期間 (エ)一時金の授受に基づく賃料内容 (オ)賃料の算定の期間及びその支払方法 (カ)修理及び現状変更に関する事項 (キ)賃貸借等に供される範囲及びその使用方法 �◆|楼萢廾�の比較及び個別的要因の比較について 賃料を求める場合の地域要因の比較に当たっては、賃料固有の価格形成要因が存すること等により、価格を求める場合の地域と賃料を求める場合の地域とでは、それぞれの地域の範囲及び地域の格差を異にすることに留意することが必要である。 賃料を求める場合の個別的要因の比較に当たっては、契約内容、土地及び建物に関する個別的要因等に留意することが必要である。
【Referer】
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