きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 親心


本日の担当:銀吟

ボクが子供の頃の、今風に言う「将来の勝ち組」を目指す
上で何よりも大切だったことは、いい高校へ入って、いい
大学へ行って、いい会社に就職することであった。その時
で言う“いい高校”とは労せずいい大学へ入学出来そう
な高校のことであり、“いい大学”とは労せずいい会社へ
入社出来そうな大学のことであり、そして“いい会社”と
いうのは、将来的に収入が安定しつつ、全国的にある程度
名の通った、信用のある会社のことであった。
そしてボクの両親は、わが子はそういう「勝ち組」に残って
しかるべきだ、というような目に見えない圧力をずっとボク
(と妹)にかけ続けてきた、と今でも思っている。

ボクはRinとGakuには、自分の力で自分の道を築いて
いくというか、たくましく生きていく力を持ってもらいたい
と思っている。世の中がどんな風になっても、しっかり順応
して生活できるような精神力を身に付けてもらいたい。
これからの時代は特に必要な能力だろうと思うからである。

しかし、RinやGakuが大人になる頃には、ボクらが
全く想像出来ないような社会状況になっているかもしれない。
良かれと思って育てていったことが、時代にマッチしなく
なることもあるかもしれない。

今考えると、ボクの両親もその時代に応じた対応の仕方で
ボクの将来を案じ、道しるべとなっていたのだ。
ああ、なるほど。それまでなかなか寝付けなかったのだが、
謎が解決してすっきりした心持ちになって、眠りについた。


2004年10月26日(火)
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