きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 どちらの誤りから指摘するべきか

本日の担当:SHY

 「クジを作りたいの」
 Sizが私のところまでやって来た。
 私は彼女の要求仕様を聞き、紙を8等分に折ってそれを切る。
 Sizもハサミは好きなはずだが、この場合は全てを同じ形に切りたいらしく大役は私に任された。
 「できたよ」
 「ありがとっ」
 8枚の紙を握りしめ、筆記用具の待つテーブルへと駆けていく。
 私は不謹慎にも「これでしばらくは静かだろう」というようなことを考えていた。



 確かにSizはしばらくの間、クジを作るのに夢中になっていた。
 そして満を持して私のところへ再び来た...と思ったのだが、彼女の手には白紙が1枚と鉛筆が握られている。
 「あたり、って上手に書いて」
 おやすいご用、と私は彼女に言われたとおりにした。
 「はずれはできてるのよ」
 彼女は得意気に他の作品群を私に見せた。
 つまり、これまでにかかった時間は「はずれ」を7枚作る時間だったわけだ。
 「あたり」を彼女に渡し、それと引き替えに「はずれ」を見せてもらう。

↑投票ボタンです

2005年05月26日(木)
初日 最新 目次


My追加