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■ 残虐性
「ね、お父さん。癌って、細胞がどんどん増えてっちゃって、歯止めがきかなくなってるやつのことを言うんでしょ?」 「うん」 「増えつづけちゃうんだ」 「うん、そう」 「じゃあ人間もがん細胞みたいだよね?地球にとってすごい有害じゃない?」 「うん。―――でも人間はバランス取ってるでしょ」 「え?」 「戦争とかして。」 「――ああ・・、・・・うん・・。そうだね・・・。」 ――そうだったね。 殺し合いやってバランスとってたね。 昔っから。
「最近は残虐な事件が多い」とか言うけれどさ。 人間の残虐性なんて今も昔も大して変わってないと思うよ。 知らないだけなんじゃない? 中世ヨーロッパの人々は、どれほど興奮した気持ちで魔女裁判に臨んだだろうね?他にも色々あった処刑方法に、どれほど多くの人間が気分的にノッていたんだろうね?コロセウムは何のための場所さ?騎士達は自分がとった兵士たちの首を互いに蹴りあいっこしながら自分の陣地に帰っていって、後にそれがサッカーのモトになったらしいよ?首を転がすスポーツ。 日本の武士たちの中にも、自分の地位の慢心から一体どれほどの人間を虐げたんだろうね? 残虐性というのが内的なものなのか客観的なものから言うのか、それとも両方なのかよくわからないけど。 そんなのいくらでもあるんじゃない? 今ばっかりがひどいみたいな言い方とか、 「自分はそんなとんでもないこと致しません」みたいなカオとか、 それってちょっと違くない?
表面上は昔より穏やかのようになったから、自分たちの残虐性を否定しようとして必死に人間たちが取り繕おうとしてるから、ふいに見える真実にしらじらしくびっくりしてるだけなんじゃないの?
まぁこんな若造がこんな話題ひっぱりだしてきて戯言ほざいても誰も聞いちゃくれないだろうけどさ。
2002年06月01日(土)
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