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■ 傷
できたての傷は、 外気に触れるだけでもいたくていたくて、 手で触れるなんてとんでもない、と、 触れなくてもじくじく疼く叫びがその傷から聞こえる。
けれど時間がたって否応なく傷はふさがっていき、 新しい肉芽ができてかさぶたがそこを覆ったころ、 もう、たいして痛みなど無くなっていて。 気付けば愛おしそうに撫でたりなどしている。
時に不注意なことをすれば、 そのかさぶたは痛々しく剥がれ落ちて再び鮮血がにじむけれど、 また長い時間が過ぎればいつのまにか傷は消えて、うっすら痕だけが残る。
「あのときは痛かったなぁ、」と、 なつかしく思い出す痕だけが残る。
2007年08月30日(木)
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