浪奴社員の呟く
DiaryINDEX|past|will
やっぱり先のことに対する焦燥と、前のことに対する羨望とのギャップが大きすぎたんかもな。迷うときには生まれつきの記憶に従うことが多いのは、それだけ純正の自分が其処に在る、と考えてのことではあるんやけど、やっぱり手順を誤ったようにしか思えん。それ位に今のワシは描いていたワシから程遠いんやな。
ワシは『センセー』なんかやないよ。やけどそういう姿を求められるからそう振舞うだけであって、そう望まれるからそう抵抗わんだけやで。そんなんは本当のところ、ワシの本性ちゃうわ。
風が急激に冷え込んだりするから、きっと昔のことを思い返してしまったりもするんやろうな。10年前も今も、同じ場所におるのに、その中身が全く異なってたりもするから、赤く明滅する光に誘われて、そのまま出て行ってしまいたくもなるんやろうな。以前ならもっと感じ取っていたことが、どうやろうな、最近めっきり鈍感になってきてるんちゃうかな。どうせ気にしてるんはこの仕事の来年の見通しと、想いを抱く人の心中と、来週勝つウマのことぐらいやろ。ワシもめっきり現実的な視線に縛られてしまうようになったな。
多分そうなんやろう。決定的な違いはそれしかないからな。そんな気持ちで、来週あの場所にもう一度訪れるとして、どうなるんや。己の中にまだ燻るものがあれば、それも一つの選択になるやろうにな。ワシは、もう終わったで。目先のモンにしか感情を示されんようになったで。そういうものが一番嫌いやったのにな、ワシの関心事もワシ自身も、アホくさ。
|