(副題:「空飛び猫」シリーズ:アーシュラ・K・ル=グウィン 村上春樹訳 より)
…「ミイ!」とその声はすがるように叫んでいました。「ミイ! ミイイイイ!」…
…真っ白な子猫の歯を見せながら、二人に向かって勇ましくうなり声をあげました。それは「嫌いだ! 嫌いだ! 嫌いだ!」と聞こえました。…
「帰ってきた空飛び猫」より 村上春樹は同書の訳注にて以下のように述べている
…子猫の「ミイ、ミイ」という鳴き声であるわけですが、それと同時に「私よ!私よ!私はここなのよ!」という救いを求めるメッセージにもなっている…
…子猫は"HATE! HATE! HATE!"と叫びます。…
本文(日本語)を読むだけだとピンとこない台詞
モノを書く行為っていうのは 思考を文字に変換し 書き留める 読み返して気に入らなかったら 直す (だけど思考や感情はそのときかぎりでしかない) (止まらない時間 変わりゆく「自分」) そうしてでてきた本を手にとる 他者 他者次第で本の価値は変化してしまう じゃあ 翻訳されたものは?
ことばや生活様式等の文化的な違いといった決定的な壁 訳者の思考
そんなしがらみがあるんだ
ただ 読むもよし でも ときには読み込んでみたい そういった背景や ちょっとしたことを尊重したい
忘れてしまわないように自分に言い聞かせる 本に触れることは著者に触れることであり (つまり他者と対峙することであり) それを通じて自分と向き合うこと
(二日酔いの床でふと思う)
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