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■ いのちの食べかた
【いのちの食べかた】森達也:著
「今の子供達って、魚が切り身で泳いでいると思っているんだって!」 「あはは〜ほんとぅ?まったく今の子供達は!信じられないねっ!」 「じゃあさ、ケンタッキーフライドチキン型の生き物がいると思ってる子もいたりして〜」 いつかテレビでそんな話を聞いた。 なんだか「今の子供達」が「呆れてしまう人たち」だと言わんばかりの言い方に閉口してしまった。
でもね、それは大人が教えてあげないと、語ってあげないと、知ることができないことでしょう? 家の台所で魚を下ろす場面は見ることがあっても、「動物を屠殺する」というのは身近にはないことだからね。 私だって一日何トンの牛や豚が人の口に入るために屠場へ送られるか意識して考えたことなかったし、 恥ずかしながら彼らが最後どんな風に命を終えるのかもぼんやりとしか知らなかった。そして、そこで働く人々の仕事について考えたこともなかった。
この本は小学生や中学生くらいの人に向けて簡単に書かれていて、メッセージも明確で、人はほかの多くの命を食べて生きているということをもっと知らなくちゃいけない。と何度も書いてある。
「じゃあ、もうお肉食べない。そんな可愛そうなことしない。」っていう話じゃないの。(最近なんでもこんなふうに解決しちゃう人をみるけど、そういうんじゃないんだよ。) 読み終えて、強烈に胸に残ったのは「知ることが大事」という著者のメッセージ。 鈍感になって麻痺してしまう怖さもあらためて感じました。
私は、子供達が自分で読めるまでは話して聞かせようと思う。そして、是非、多くの子供達に読んでもらえるように薦めたい。
それからね、「魚が切り身で泳いでいる」と思っている小学生なんてそんなに居るもんじゃないと思いますよ。 なんか、面白おかしく小ばかにしたように言われると嫌ですね。そんなふうに言う大人にも読んで欲しいです。
2005年01月24日(月)
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