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人と会う事が、ずっと何かわずらわしさを感じていた。そのくせ明るい性格 を兼ね備えている為、今まで何万回も愛想笑いをしてきた。 よせばいいのに自分から話し掛け、さも気さくな兄ちゃんを 装ったりもした。 が、その行動の正反対のところで常にほっといてくれ〜、 寄らないでくれ〜、俺はなんの価値もね〜、 だから一緒にいてもつまんね〜ぜ〜、って避けていた。
いや待てよ、俺は確かに気さくだ。でもあきらかに避けていた。 どうしてかは、わからない。ただ、いつもいつも、 感情は負の方向に向かってた。
人との出会い。・・・そんなことあまり気にした事はなかった。 誰かと会うくらいなら部屋で自分の好きな事に打ち込んでいる方が何百倍も 楽しかった。
中途半端な付き合い、時間を使うのが耐えられず、 かといって 自分から中途半端な付き合いをさせないような器でもないときてる。 いったい何があるというんだい?この僕に。なんの価値もね〜。 ちょこちょこちょこちょこ情けね〜。
いや待てよ、最近気付き始め、確信に変わりつつあることがある。
あの人に会えて、本当に良かった。最高の感謝の気持ちに対し、 最低の恩返しも出来ていないが、ふとした時に俺の背中には、 いつもあの人の影がある。
僕は人との出会いは財産だと気付き始めてきている。
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