ヒビノコト
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2004年06月03日(木) おばちゃんの椅子。

家の台所の椅子は、ボロ椅子。

背もたれのところは、木がかけている。

足には黒のマジックで「正田」という文字がうっすら。

それでも可愛い。

捨てられない。

おばあちゃんの大の仲良しの「しょうだのおばちゃん」

からもらったのです。

おばちゃんの農家の家の広い土間にぽつんとあったのを見て、

欲しくてたまらなくなりお願いした椅子。

こんなぼろい椅子が欲しいんかい?

うん。欲しい欲しい。

もらって、洗って、みかん畑で干して、東京まで送りました。

ずいぶんとそれから年月が流れて、椅子はよりいっそうボロくなって、

おばちゃんは亡くなってしまいました。

ボロ椅子は捨てられないけど、もうひとつ椅子が欲しくなって、

ネットオ−クションを見たら、おばちゃんの椅子と同じのが。

もうひとつ同じのが欲しいと思ったけれど、

私には買えない値段(尋常と思えない)にまで、

どんどん上がっていってしまった。

なんだかわけもわからず怖くなる。。

おばちゃんがこの話しを知ったら、びっくりするだろうなぁ。

日射しがまぶしい日に、田舎のみかん畑の木に、

干してかけた小さなボロ椅子。

お金の世界から遠く離れたところにポツンとある、

おばちゃんの椅子。




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