2010年11月25日(木)  ゴ、ゴメ、ゴメン。

「ハナさーん、もう寝るよー」寝室からリビングでぐずぐずしながらゴムボールで遊んでいる御ハナを呼ぶ。眠たいけど遊びたい。遊びたいけど眠りたい。午後9時。眠くなった御ハナは注意力が散漫となる。
 
御ココはすでにベビー布団で眠っている。つい先ほど眠りに就いたばかりだ。といってもまた2時間後に処置をするため起こさなければならない。
 
「ハナさん寝るよー。いつまでも遊んでいると鬼が来るよー」
 
そう言うや否や、御ハナは反射的に寝室の自分の布団へ向かって走り始めた。しかし御ハナの布団の横には御ココがベビー布団で眠っている。
 
あっ! と、私が叫んだタイミングと御ハナが御ココの顔を踏んだタイミングが重なった。御ハナは眠たくて注意力が散漫になっており、御ココが寝ていることをすっかり忘れていたのだ。
 
「ハナ!」反射的に怒ってしまった。御ハナは泣きながら「ゴ、ゴメ、ゴメ、ゴ、ゴ、ゴメン、ゴ、ゴメ」と、ゴメンナサイと言おうとしているが、泣き声でうまく謝ることができない。
 
御ココは左耳から左頬のあたりを足の先端で踏まれたらしく、大声で泣いてはいるが幸いにも外傷はない。
 
私が御ココの外傷を確認している間も、「ね、パ、パパ、ゴ、ゴメ、ゴメ、パ、パパ、ゴメン、ゴ、ゴ」と、私の洋服を掴んで何度も謝ろうとしている。
 
「しょうがないわよ。眠かったんだもんね」
 
妻がやってきて御ハナを抱き締める。御ハナはいつも御ココを踏まないよう細心の注意を払っていたのだという。「ココちゃん寝てるもんね」と、誰よりも声を潜め、「パパいびきうるさいからあっちで寝て」と、誰よりも御ココを気遣ってきた。
 
そんな御ハナがたった一度の小さなミスで御ココに怪我をさせてしまった。怪我の程度は問題ないが、問題あるのかないのかわからない御ハナが受けたショックは計り知れない。
 
御ハナは妻の腕の中でいつまでも謝りながら眠ってしまった。「ゴメン、ゴメンね」その夜、私は御ハナに謝りながら眠りに就いた。
 

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