2011年02月08日(火)  はじめての一石二鳥。
 
御ココの首がすわった。つい先日までうつ伏せに寝かせると、もはや成す術なしとでも言いたげな表情を浮かべ、がっくりと顔を床につけているだけだったが、この二、三日でうつ伏せの姿勢から顔をしっかり上げるようになり私の驚きの表情に微笑み返すという余裕も出てきた。
 
時に御ココは石川啄木並みに我が手をぢっと眺めている。ミルクを飲めど飲めど我がお腹、満にならざり。ぢっと手を見ている。
 
これは生後3ヶ月頃の赤子特有の「ハンドリガード」という行為で、自分の手を見つめることによって自分の体に手がある。強いては自分には体があると認識しはじめる行為であって、この小さな手の動きの認識からここに世界があると自覚し、時に触れ、時に感じ、時にもがきながらこの世界を生きていく切っ掛けとなる崇高な行為だというのに、御ココは右手を挙げて、その右手を認識しながらちょうど口の部分にベビー服の二の腕の部分が当たり、その服をちゅっぱちゅっぱおしゃぶりをしている。
 
ハンドリガードしながら服の部分をおしゃぶりするというこの一石二鳥精神はまさに我が娘。生まれて初めて身についた知恵が既に一石二鳥。この知恵こそがこの世界を生き抜く術なのである。
 

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