2011年05月13日(金)  白いセメント。
 
目下歯科治療中なのだが、治療中の歯に埋める白いセメントのあの頼りなさに親近感を覚える。「とりあえず」のためだけに生まれ、その「とりあえず」が本来の役割であるという、あの白いセメント。ガムやキャラメルなどの粘着的なものにすぐに屈するあの弱さ。弄んでいると容易に強度が落ちるあの脆さ。ひとまず差し当たって暫定的にまずもってかりそめの間に合わせ。まさに私の役回りそのものである。人はそれを「好い加減」と評価する。決して好い加減なわけではない。繰り返す暫定の流れの中で、真実を見出そうとしているだけなのだ。
 

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