(SleepWalking)
無風状態
届かないと知っていて手を伸ばすほど あたしは愚かじゃない と お姫様は信じていたのに 結局世間知らずだったのね 当たり前よ彼女ったら 生まれてこのかた、 お城の外になんか出たことが無いの それに ここ5年間はあの塔に閉じ込められているんだって
(どうやら母親を殺したらしい)
ばかねぇ あの綺麗なお姫様は 届くと思って鳥に手を伸ばしたの 窓から体を乗り出して そして 落ちた 白い肌に白いドレスで 飾りの薔薇は真っ赤に燃える ただのいちにち お姫様は あっという間に消えてしまった かさかさと物音
(風が吹かなかったのならそれは鼠)
2004年11月05日(金)
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