(SleepWalking)



瞬き
 
そのくちがいつか
愛してる
などと
つまらない言葉を吐いたことがあったのだろうか

うっすら考えて
けれどこの先いつか
このひとの唇からアイを囁かれるような
きれいなひとがあらわれるに違いない

思いなおす
そんなことがきっとおきるのだろう
わたしの知らない場所で

まばたきの一瞬に掻き消されてしまう
かすかな笑顔を
誰かが一生所有するのだ
秘密の花園で
かすかな笑顔を大切に大切に
暖かな糧として

そこにわたしの存在はないだろう
このひとはきっと
選ぶひとを間違えないだろうから
いつかしあわせになれるように
ここから見守っていることにします
鈍感そうなその顔に
もっと笑顔がともりますように
そう
ねがうことにしたのです

2004年11月13日(土)


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