にっき日和
おしながき前よむ次よむ


2002年06月13日(木) 廃墟の魔力

”廃墟”が静かなブームになっています。

HPはもとより、写真集まで刊行されているのです。


心霊系のTV番組で、

廃墟探検なんかやってたのも影響あるのでしょうか。

気持ちはわかるんですが、

廃墟=幽霊と関連づけてしまうのは少々安易な気がします。

だって、廃墟は「美しい」のですから。


実はわたしも廃墟に魅かれるひとりです。

けれど大人になってから廃墟探検はしていません。

不法侵入で捕まるのは嫌だし、

なにより危険です。←いろんな意味で( ̄ェ ̄;)


小学生の頃、探検ごっこという遊びが大好きでした。

普段の遊びのテリトリーから外れた場所を散策するのです。

とはいえ、このあたりは平凡な田舎町ですから、

大冒険は不可能でしたけど。


なかでも私を魅了したのが、廃墟探検です。

その多くは鍵がかかっていましたが、

まれに侵入可能な物件(?)もあったのです。


わたしとしては工場なんかより、住居跡が好きでした。

かつてそこに人が住んでいた形跡を探すのです。

雑草が生い茂る庭、割れた硝子、

錆びた鍋、時が止まったカレンダー・・・・

古いキャラクター物の玩具が転がっていることもあります。

一歩一歩足を進めると、

舞い上がった埃が陽を浴びてちらちら光ります。

永遠が支配するかのような、音のない空間・・・・

子供心に、なんて魅惑的なんだろうと思いました。


ときにはホームレスのオジサンに怒鳴られて、

ほうほうの体で逃げ帰ることもありましたが、

わたしたちは懲りずにこの遊びを繰り返していました。


しかしこの楽しい遊びも、ついに終止符を打ちました。

お友達がケガをしたからです。

廃材から突き抜けた釘を、思い切り踏み抜いてしまったのでした。

わたしたちは大目玉を食らい、

以後この遊びはご法度となったのです。


朽ちかけた建物や、

散ってゆく花に、

人はなぜ「美しい」と感じるのでしょう。


あのころのわたしは、

無意識にその答えを探していたのだと思います。







ぴょん

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