にっき日和
おしながき前よむ次よむ


2003年01月12日(日) 神様の糸

今日は冬晴れ。

正月明けの繁華街は、にぎやかながら、

どこかのんびりした雰囲気が漂います。

バーゲン袋を抱えるカップルたち、

ベビーカーを押す家族連れ・・・・

成人式でしょうか、晴れ着姿の女の子の姿もちらほらみかけます。


行き交う人々を眺めていたら、

ふと、数ヶ月前の再会を思い出しました。



「○○さん!」

行きつけのスーパーで、

わたしを呼び止める見覚えのある顔。

以前勤めていた職場で、同僚だった女の子でした。

「ね、わたしのこと覚えてる?」

「もちろん!」


彼女とは、退職以来、もう何年も会ってないけど、

素直な笑顔は、変わっていません。

ひとつ変わっていることといえば、

彼女が”お母さん”になっていたということ。

以前の彼女は、おしゃれで元気のいい、いかにもイマドキの女の子でした。

「これ、うちの子なの」

ニコニコしながら、ベビーカーの幼児を指差しました。

あの頃付き合っていた彼氏と結婚して、

いまではすっかり、幸せな母親そのものです。

「辞めてからも○○さんのこと、忘れなかったよ」

ほんの短い期間の付き合いだったのに、

そんなふうに言われて、うれしくないわけがありません。


できれば会いたくなかった・・・・

そんな憂鬱な再会も確かに存在します。

けれども、彼女との再会は、

ほのぼのと明るい気分にさせられる出来事だったのです。



彼女と別れたあと、ふとあることを思い出しました。

そういえば退職のとき、

わたしはこんな手紙を彼女へ送ったからです。



「いつか偶然、街のどこかで私をみかけたら、

そのときはきっと声をかけてね。」


・・・・彼女があの手紙の内容を、

いまでも覚えていたのかどうかはわかりませんけど。



雑踏を行き交う、見知らぬ人たち。


たった今すれ違ったあの人が、

数年後・・・いえ、もしかしたら数日後に、

またどこかで再会するのかもしれません。

きょうの見知らぬ人が、

明日は「大切な人」に変わることだってありうるのです。

そして、出会いという扉の先には、

必ず”別れ”が待ち受けています。



今年のわたしは、いくつの扉を開けることになるのでしょう。


「縁」というふしぎな糸は、

神様にしか見えないのです。



ぴょん

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