にっき日和
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今日は冬晴れ。
正月明けの繁華街は、にぎやかながら、
どこかのんびりした雰囲気が漂います。
バーゲン袋を抱えるカップルたち、
ベビーカーを押す家族連れ・・・・
成人式でしょうか、晴れ着姿の女の子の姿もちらほらみかけます。
行き交う人々を眺めていたら、
ふと、数ヶ月前の再会を思い出しました。
「○○さん!」
行きつけのスーパーで、
わたしを呼び止める見覚えのある顔。
以前勤めていた職場で、同僚だった女の子でした。
「ね、わたしのこと覚えてる?」
「もちろん!」
彼女とは、退職以来、もう何年も会ってないけど、
素直な笑顔は、変わっていません。
ひとつ変わっていることといえば、
彼女が”お母さん”になっていたということ。
以前の彼女は、おしゃれで元気のいい、いかにもイマドキの女の子でした。
「これ、うちの子なの」
ニコニコしながら、ベビーカーの幼児を指差しました。
あの頃付き合っていた彼氏と結婚して、
いまではすっかり、幸せな母親そのものです。
「辞めてからも○○さんのこと、忘れなかったよ」
ほんの短い期間の付き合いだったのに、
そんなふうに言われて、うれしくないわけがありません。
できれば会いたくなかった・・・・
そんな憂鬱な再会も確かに存在します。
けれども、彼女との再会は、
ほのぼのと明るい気分にさせられる出来事だったのです。
彼女と別れたあと、ふとあることを思い出しました。
そういえば退職のとき、
わたしはこんな手紙を彼女へ送ったからです。
「いつか偶然、街のどこかで私をみかけたら、
そのときはきっと声をかけてね。」
・・・・彼女があの手紙の内容を、
いまでも覚えていたのかどうかはわかりませんけど。
雑踏を行き交う、見知らぬ人たち。
たった今すれ違ったあの人が、
数年後・・・いえ、もしかしたら数日後に、
またどこかで再会するのかもしれません。
きょうの見知らぬ人が、
明日は「大切な人」に変わることだってありうるのです。
そして、出会いという扉の先には、
必ず”別れ”が待ち受けています。
今年のわたしは、いくつの扉を開けることになるのでしょう。
「縁」というふしぎな糸は、
神様にしか見えないのです。
ぴょん
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