パンドラの箱
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私がここにいることで、誰かが癒されるのなら、それは意味があることなのだと思える。 どんな形にせよ、私がいることで、先へ進む手助けができるのなら、と、ずっと思ってきた。
望む形を提供することに何の抵抗もなかったけれど、気がつくとそれは自己犠牲という形になっていた。 犠牲と感じた時点で、もう、それは、無償の愛情などではなく、義務感だけで演じられるまやかしの愛情で。
「自分ばかり我慢してるように感じる」
「それはお互い様だろう」
なじりあうその胸にはかつて抱いていたであろう思いやりの欠片もない。
私がここにいることは、彼にとっては良いことではなかったのだろうか。
思い切り燃え尽きてしまった恋のあとだったから。 もう誰も愛せないと思っていたから。 投げやりな想いを抱えていた私を受け入れてくれたから。
そこには私の想いなど、これっぽっちもなかったから。
望まれて共に過ごす道を選んだから、その想いに応えたいとそれだけを考えてきたのだけれど。 やっぱりそれは間違っていたのかな。
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