パンドラの箱
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弱音を吐いては、同情を引き、 自身の弱さを売り物にしていると、 幾度となく、指摘され、 己の強かさをどこかで自覚していた。
「私を見て」
「私を守って」
そんな信号を放ち、人の心を奪うのだ。 人の心を操るのは容易いと、ほくそえみながら。
自分より弱いその人を ひと思いに傷つけたい欲望に駆られるのは、 あたしの中に残虐な心があるからなのだろうか。
それとも、本当に弱いものに対する、 嫉妬心から来る欲望なのだろうか。
あたしにはない、本当の弱さを彼女が持っているとしたら、 あたしはきっと彼女を許せないだろう。 妬ましくて。 悔しくて。
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