風にふわりと 〜こころのすきま〜


わたしらしく


駅のホームで雑踏にのみこまれ、
合間から見える空の眩しいアオが、
ちらついては霞んでゆく。
怖くなって、歩みを止めたら、
後ろの人にどんどん抜かされて、
わたしなど存在しないかのように、
周りは冷たく流れてゆく。

目を瞑り、また歩みだす。
進んだ先では真上の空で、
歩くわたしを嘲笑うように、
雲がどんどん流れてゆく。
ただなんとなく、
もう怖くても止まれない、
と感じた。

希薄さに流されないように。
希薄さにのみこまれないように。
歩いてゆくしかない。

道は続いている。



2003年05月12日(月)



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Akira
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