胸をつく激しさ、理由などわからない孤独さ、そういうものに突き動かされて私はやってきた。それが最近、たとえようのない安堵感に変わってきている。何故だろう… 二十代を、ただ、形の見えない何かを敵とし、戦ってきた、その時代の、たそがれを生きている・・それだけだろうか。まったく新しい感覚をもって、私は私自身を迎える。郷愁とか、もうそんなものは、無くなってしまったのだろうか。人が通りすぎていくときに…また一人。新しい風景となって、私の中に根をおろす。