日付が替わるころに大学の時の友人から電話が掛かってきた。 で、本当に久しぶりに話をした。 その彼の嫁さんに子供が出来たのだが、 子宮に腫瘍があって騙し騙し妊娠を継続しているのだそうだ。 明るく語ってはいたのだが、その負担は相当なものだろう。 僕の周りの人は、どうしてかちょっとした病気の人が多い。
こっちはこっちで大変だよと慰め半分で 自分の状況とか、思っていることとかを話すと、 「あいかわらずやねえ」と言われる。 自分としては、大学を出てからもう何年も経っているので 考えや立場、方向性なんかも大きく変わっているように思っていたのだが、 そんなことを言われてなんだか悔しい。
だが、昔から彼は見抜く目を持っているのだ。 だから何も言えなくなる。 「まあ、どんな形でもさ、幸せになれればいいねぇ」と 呑気に言ってのける彼を本当は少し尊敬している。
彼と共通の友人に以前に書いた大阪出身の友人がいて、 また再会できることも楽しみにしていた。 ケーキ屋でバイトをしている女の子に恋をした彼に付き添って、 意味も無く何度もケーキを買いに行ったことを思い出す。
今出来ることを、真剣に行っていく。 幸せから遠回りしていても、ベクトルがそちらに向いていれば大丈夫。 そんなことを確認して、電話を切った。
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