あれは、何かのサイン?
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午後から、これからお世話になる職場への初めての出勤だった。 と言っても、4年前に一度お世話になっているところ。 懐かしい裏門はかつての自分が自転車で通ったところだ。 そこは戦前からある場所なので桜の木も大きく、 大きなトンネルのようになっているのだが、 雨の所為であらかた散ってしまっていた。
1年前まで似たような仕事をしていたにもかかわらず、 今日の打ち合わせはそのブランクの間に開発された内容で 知らないことばかりだった。 途中でちょっと意識が飛んだが、 必死に喰らいつく。
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そんなことをしているうちに、 いつかの自分を取り戻したのではないか、 という錯覚に陥る。
空いた穴が埋められたわけでも、 失ったものを取り戻したわけでもない。 唐突に何かが変わるわけでもない。
また、明日も必死に喰らいつくのみだ。
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