インスタントカメラから吐き出されてくる針となにものにも構わずにしみこんでゆく頭蓋と青い卵から生まれるまっさらなまっさおなひよこのくちばしをぜんぶ足して三で割ってみるときっといまの景色(きんぶちの窓の向こうの更にその柵の向こうのね)がみえるはずなのだ。
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此処のわたしは「かげ」というよりは「別人」のようなものと認識している。そうやって分けておいた方が楽なのだ、少なくとも俺はね。なんというか、それぞれの場所における役割分担みたいな。教室と部活の違いみたいな。要するに、此処においてもわたしはわたしでしかない。