結婚と不倫と離婚の間
蒲公英



 反面教師

子供のいじめ対策の話しになって、自分の子供時代の事を思い出した。

小学校の低学年の頃、クラスにちょっと陰湿ないじめをする女の子がいた。
いじめの標的を一人決め、他のクラスの女の子全員に、その標的の子を無視するように命令する。標的になった子はある日突然、クラスの誰からも口を聞いてもらえなくなる。もし命令に逆らって標的と口をきけば、次の標的にされる。

もちろん、私もその標的にされた。命令に従わなかったからだ。
私は数日間誰にも口を聞いてもらえなかったが、別に平気そうにしていた。本当は平気でもなかったが、不当ないじめに屈するのが悔しいので精一杯強がっていた。
そのうち、何故か、標的は別の子に代わってしまった。
私は、次の標的になった子を、「無視していれば、そのうち元に戻れるから」と剥げました。「でも、元に戻っても、次の子を無視する命令に従っちゃだめよ。」と忠告もした。でも、その忠告は聞きいれてもらえなかった。
「あ〜、仕方ないな〜」と思ったのを覚えている。

今にして思えば、私のこんな感じの正義感は、母に不当に暴力をふっていた父(子供の私にはそう見えたが)の影響かもしれない。「いわれのない暴力やいじめには絶対屈しない!」そんな言葉も知らない子供の頃から、そんな精神が育っていたのではないかと思う。

そう考えると、子供に悪い影響を与えそうな家庭内の問題も、子供の成長に反面教師的な役割を果すのかも知れない、などとも思う。

2002年05月18日(土)
初日 最新 目次 MAIL


My追加