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千尋(ちいろ)の闇 上下 ロバート・ゴダード  
2001年07月19日(木)

千尋(ちいろ)の闇 上下ロバート・ゴダード  幸田敦子 訳

ゴダードの第一作  
やっと読んだ。
つまり、あとの作品から読み始め、第一作を最後まで、とっておいて、最後に一気に読んだのだ。
決して、途中でやめることが出来ない。
ストラドフォードの顔が浮かぶ。

 捕らえがたきわが逃亡者よ、私にはあなたの姿が見える。
だが、声を聞くことは出来ない。
あなたの過去への探求の、行き着く先をあの時教えてくれたなら、
私は決して船出したりはしなかった。
それはあなたもわかっている。
あなたの影が・・・・私のたどり着いたその影が、
故国を離れあなたが過ごしたこの場所で、今私を包み込む。
あなたならどうするだろう?いやこたえる必要はない。
ストラドフォードよ、まずは、この本を閉じねばならない。
あなたと私のこの本を閉じ、それとともに、
時を越えた知己たちの世界をも閉じねばならない。
外では夕闇が手招きしている。
あの中へ踏み込んでゆくことは、冒険であるに違いない。
あなたならどうするだろう?

いや、こたえる必要はない。もはや、決めるのは私だ。
以上、最後のプロット。
主人公は、元歴史教師マーチン。
ストラドフォードの過去を調べるうちに、抜け出しようのない闇に引き込まれる。
ゴダードの作品は、なぜにこうも、絶望と、悪意、偽りに満ちているのだろう。
しかし、引き込まれてしまうと、もう抜けることは出来ない。
次に読む作品が見つからない。
この世界から抜けることが出来ない。




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