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読み終わるのにかなりの時間がかかった。 あまりに私とは違いすぎ、というか、主人公のカスミに感情移入できない。 私の悪い癖、はじめから結末を知りたくて最後のほうまで走り読みをしてしまう。 もうその時点から、ああ、これはだめだと思ってしまう。 エゴイズムの極みのような男と女、これでもか、これでもかと書かれている。 それを内海が食べ物を時間をかけて嚥下するように、文字の一つ一つを嚥下する。 案外どこにでもいる男と女かもしれない。 しかし、ここまで徹底して救いようのない人物像。 けど、人間て、どれだけ救いようがなかろうと、生きていくものなんだと、もしかして 作者の意図はそこにあるのかなとも思う。 たぶん、私は桐野さんの他の作品は読まないだろう。 疲れた。
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