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■ 誕生日
僕は目を覚ました。
人と会うのは億劫だったが、バイトへ向かった。
バイトはこないだ、ちょっとサボってしまった。
風邪ってことにして。
なので、今日は演技するのに大変だった。
世の中、あんなあからさまな嘘が通用してしまうんだ。
とても恐いと思った。
もうするまい。
バイトが終わって、昨日の今日だったがなんとなくバーへ行った。
麻衣子さんがいた。
彼氏もいた。
僕は挨拶をしてカウンターに座った。
チャッピーさんが来た。
持っていた花束を麻衣子さんに手渡し、こう言った。
「おめでとう」
!
…、なるほどそういうことか。
それから麻衣子さんの誕生日会が行われた。
彼女は彼氏と一緒に嬉しそうに笑っていた。
僕がカウンターに常連の人と座っていると、彼女がやってきた。
「彼が手紙をくれたの」
幸せそうな顔で彼女は言った。
ラブレター。
最近書いてねえなあ
と思いながら、彼女が音読しているのを横で聴いていた。
始終幸せそうな彼女とその彼氏を横目に、常連が僕に言った。
「ああいう風に女を幸せにできる男にならんとあかんな」
…その通りだと思った。
Dear Maiko:Happy Birthday!
2003年02月06日(木)
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