キッシンジャーの日々
キッシンジャー



 振り返れば

1週間くらい前に俺のオトンが還暦を迎えた。

梅田大丸で購入したハンチングハットを実家に送った。


バイトが終わって電話した。

久々のオトンの声。

懐かしい響きがした。


電話の向こうでは、はにかみながらオトンがお礼を言っていた。


あんなことをしたのはいつ以来だろう。

俺とオトンの間に確執が生まれ、そして和解したあの頃。

今では殴り合うことも無くなった。


電話の向こうで、オトンが嬉しそうにしている。

俺は俺で、オトン譲りの恥ずかしいのが苦手なところ、ちょっと悪態をついている。


嗚呼、僕はあと何年オトンとこうして話ができるのだろう。

今年で俺は23歳。

この歳まで俺を育ててくれたオトン。


何はともあれ、今度家に帰ったらオトンと呑みに行こうと思っている。


初夏、梅雨空の下で、僕はちょっぴり望郷に浸ったんだ…

2003年06月18日(水)
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