キッシンジャーの日々
キッシンジャー



 命日

2年前のこの日、散歩してた知人の犬がその息を引き取った。

名前をウィッキーという。


あの日々、僕は21歳で、

今より全然若々しく生きていた。

今が腐ったシェリー酒なら、以前は香り豊かなブランデーといった感じだろう。


そんな僕とウィッキーはいつも、夜の公園を散歩していた。

時には逃げるウィッキーを追いかけた。


彼女は今、彼女が歩いた道のそこかしこで眠っている。

涙もすぐに乾いてしまうようなこの夏の日、

僕は一人、ウィッキーの冥福を祈った。

2003年08月05日(火)
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