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■ みかんを食う
久々に人を好きになれると思って
それがなくなって
空しくなって
僕は
みかんを食う。
手のひらに収まる大きさの、甘酸っぱい香りのするそれに
右の親指で 切れ込みを入れる。
みかんのほのかな香りが 僕の鼻孔をくすぐる。
実にたどり着く。
二つに割って、片方を一気に頬張る。
優しい果汁、確かな歯ごたえ。
淡々と僕は それを口に運ぶ。
実に淡々と。
コンポから ハナレグミの 『サヨナラCOLOR』が聴こえる。
どこか切なくて どこか励ましていて
みかんの味に似ていると
ふと思った。
2005年12月18日(日)
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