蛇腹食堂
書人*なび太

   

  




信じたい。
2003年07月11日(金)
横浜駅の東口には、
キャッチなお兄ちゃんが多い。

今日、その横浜駅東口を歩いていたら、
そのうちの一人が、
いきなり前を歩いていたオジサンに声を掛けた。

僕もビックリだが、
声を掛けられたオジサンはもっとビックリだ。

「おいは男ですたい」
とでも言わんばかりに、
巌の如き顔を向けたオジサン。
しかし、歩みは止まらず。

キャッチ兄ちゃん、
それでもめげず、オジサンに付いていく。

「あ、あのぉ(当然、語尾は尻上りで)…」
「はぁ…?」

よく見ると、そのキャッチ兄ちゃんは、
一見イケメン風を装っているが、
どこか、何かが抜けきってていない、
「素朴さ」がそこはかとなく滲み出ていた。

「トイレを探してるんですけれどもぉ…」
「…。」

おめぇさん、キャッチだろ。
地理ぐらい熟知しておきたまへ。


イケテナイキャッチ兄ちゃん、何故か声がデカイ。
会話が全部聞こえてくる。
何も「素人」のオジサンに声を掛けなくとも、
近くに同類なお兄さんがうろついているのに…。
なんと哀れな「はぐれキャッチャー」。

挙句、
オジサンが丁寧に道を説明してくれてるのに、
「ちょ、ちょっと、わかんないんで、
 連れてって来てくれますか…?」


って、
どんなキャッチだよ、おい!!



結局そこで僕は反対方向に足を向けてしまったので、
オジサンとキャッチ兄ちゃんがどうしたのかは知らない。

しかしアレって、何か新手のキャッチなんだろうか?
まさかあのまま怪しげなお店に連れてかれて、
んで、アッハンなおねぇさん達が出てきたと思ったら、
パンチでアウトローなお兄さん達も出てきて…。
そんでもって、身ぐるみはがされて…。

考え過ぎなんだろなぁ、とは思いつつ、
エスカレーターの上から、
いつもと変らない人の流れを眺め、
オジサンの無事を祈り、
そしてイケテナイキャッチ兄ちゃんの、
堅実な前途を願った。




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