どうしても・・・どうしても・・・ 好きになれない生き物
小さい時からどうしても駄目だった 古い家のトイレに入るときは 蜘蛛がいないか確かめて いると 入れなかった うっかり入ってしまったとき 蜘蛛がなぜか足が取れていて 体からはなれた足が・・・ 足だけが動いていて 恐ろしく悲しい思いをしたのを覚えている
さっき・・・ 窓に真っ黒い小さい蜘蛛がくっついていた このくらいだったら 見ていられるくらい 蜘蛛嫌いは良くなった 縦の面にくっついた黒すけが 何やら猛スピードで移動していた よく目を凝らすと わずか点ほどの虫を追いかけている よくまぁこんなところを ぴょんぴょんと 走り回れるものだと 感心してしまった 見ていておもしろくなり もっと餌はないかと 私が探していた 糸をはかないのだろうか 餌のくっつく巣を持たず 狩をして歩いている
ここは子供の手のひらほどの家蜘蛛がよく出る 以前は 居るという気配だけで 体が震えた そこを通って進めなくなる 殺虫剤を1缶使ってしまうこともよくあった 涙を流しながら どうして私の目に付く所に居るの? 見つからなければ 殺さなくてもよかったのに・・・ ひぃひぃしながら 退治していた・・・ 殺虫剤で殺してしまったとしても 死骸を処分できないのだ あぁ・・・嫌だ・・・キラキラと目が光る お願い・・私だって殺したくなかったの・・・
この頃ではだいぶ要領を得て 殺虫剤はほんの少しで足りることに気がつき 落ちてくる前に 新聞をしいてキャッチすることにした 目が光ると・・・・ごめんよ・・・と言えるようにもなった かわらないのは 生かしておけないこと 蜘蛛は益虫で ゴキブリも取ってくれたりするらしい 刺したりしないのもわかっている 殺すのはかわいそうなのも・・・わかっている でも・・・どうしても・・・ どうしても・・・・嫌い・・・
蜘蛛
神様が
蜘蛛を造る時
どの生き物よりも
美しくし
どの生き物よりも
優しくした
私には理解することができない
蜘蛛の素晴らしさ
神様の思い
* すごい・・・すごい夕焼けを見た あたりがまっ黄色 セピア色 映画の回想シーンのように 見るもの見るもの黄色に包まれている 夕焼けになりそこなって お日様がこぼれて散らかったのだろう しばらくすると 全部 紫色 雲で覆われた白い空は 紫のガラス玉を通して見ているように 隅から隅まで紫色 私の体も色に染まっているのだろう 何もかも 染めているのだろうな そのうち闇夜の姉さんがやってきて 散らした色を丁寧に 黒くしていくのだろうな
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