私が子供のころからイエイエ・・・・ もっともっと昔からある お地蔵さんのお祭り 長い参道には 両端に屋台がひしめき合い それを覗きながら練り歩く人で 細い道はラッシュアワーのようだ
子供のころから この日は楽しみだった そうは買ってもらえない 駄菓子やおもちゃ・・・ 横目で眺めたやきそばにたこやき・・・ 昔はお腹を壊すからと 言いくるめられた!?ものだ 確かに・・・ ひとつのパック500円の焼きそばは高い でも その場の雰囲気で どうしても食べたくもなり・・・ 買いたくもなり・・・ ひとつのパックを みんなでつついて食べるのも 楽しかった 朝から娘たちは お財布をひっくり返していた 638円・・・ いまどきのお祭りではなにが買えるだろうと 横目で眺めて 心の中でつぶやいていた お金が足りないとも・・・欲しいとも言わず ひたすら数える・・・ そのうち お金の蛇・・・とか言い ならべて遊んでいたが 「お祭りに行ってくるね」 と妹と飛び出していった 日ごろから金銭感覚がいまひとつだから 「ください」と言ってから 足りなかったりしている事だろうと 想像していた 「ただいまっ!」 帰ってきた下の娘の手には 透明のプラスティックでできた 動物・・・ お玉いっぱいすくいたい放題で 250円だったらしい シャボン玉のような色合いで かわいらしい お姉さんのほうは ゴムボールか べっ甲飴あたりかと思っていたら ガラスのウサギだった 『あら 珍しい』 珍しかったのは ウサギではなく それを選んだ 娘のことだった 3センチほどの白いウサギは 耳が桃色にほんのりと染まり 楊枝の先ほどの真っ赤な目がついている いつもどたばたとしている子が こんな繊細なものを選ぶこともあるのかと そう思った
年に2回の地蔵祭り 子供の欲しがるものが変わっていくのも 楽しみになると感じた
おじぞうさん
参道を歩くと
亡くなった身内に
そっくり似ている人と
遇えると言う
不幸があった後の3年間は
続けて歩く
人の波に愛しかったあの人が
きっと遇いにくると信じて
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