Yさんが入院している6人部屋に Yさんと同じ施設から入院している人がもう1人います 隣のベットで 理由は骨折をしたようです 糖尿病なので 施設にいるときから おせんべいや甘いお菓子は禁止され それでもこっそりと売店で買っては みんなに止められている姿を たびたび見ていました 好きなものを食べるのに何でだめなんだと 大騒ぎ大暴れでした 知的障害者なのです Yさんには行くたびに 水羊羹やヨーグルト プリンを一つずつ持って行き お茶を飲みながらのお楽しみをしています ところが部屋が変わり 隣に糖尿の知り合いがいたのでは ちょっと大変なわけです それでも 彼女がベットで寝ていて Yさんが起きていることが多く 何とかYさんには食べてもらうことができました ところが今日は逆で Yさんが寝ていて 彼女が車椅子に座っていたのです 私は小さな声で何度も『○○さんから見えちゃうから ご飯の後で食べてね』といっても よく理解できないようです 仕方なく 彼女に背を向けて Yさんにプリンを食べさせていました 『お尻を向けちゃってごめんなさいね』 「いいのよかまわない」 とは言っていたけれど しばらくすると 「その上の丸いもの一個くださらない?」 え・・・・おまんじゅうじゃない・・・ 『あ・・・Yさんおまんじゅう欲しいって あげてもいい?』 「どうぞいいよ」 『じゃあ 看護婦さんにきいてみてあげるからね』 看護婦さんがすぐに担当の先生に聞いてくれたら 「少しならいいでしょう・・・ってことですよ」 『よかったねぇ じゃあどうぞ』 もうむさぼるように 小さなおまんじゅうを 一口で入れてしまいました うぁ・・・むせる・・・ あわてて お茶を飲んでもらいました これで晴れてYさんもプリンに没頭できたのです といっても 相手は知的障害者ですから 「もういいのよ 気を使わなくても まだあるみたいだけど ひとつでいいのよ」 と 背中に話しかけてきます 何とか誤魔化し誤魔化し 帰ってきました でも 今日の看護婦さんは 始めて顔を見た人でしたが とてもよく見てくれる 話のわかる人でした たくさんいる中で 皆さん忙しくて 私の存在なんて 目の端にも止まらないようなのに わざわざ来てくれて「ご家族ですか?」 と挨拶してくれました Yさんがジュースを飲みたがっていたと 預かり金を持って買いに行ってくれたり 糖尿の女性が 施設にいるときに お菓子を食べさせろと 大騒ぎをするという話にも 「そうそう すごいですよね こんなになっちゃって・・・」 と 物まねして見せてくれて 私と2人で「そうそう!」と 大笑いしたりして とても素敵な女性でした ついついいろいろなことを聞いたりして なんだか楽しかったです 学ぶところがある人との出会いは 本当に貴重ですね ほんのちょっとしたことでも 大切に考えなければ・・・
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