いっしょくんの日記

 へ(* ̄ー ̄)> 
なんとなく 書くんで〜
なんとなく 読んで下さいね。

2006年01月24日(火)  病

 担当のYさんの隣に 
 アルツハイマーの男性が住んでいます
 スラリ背の高い とても美老年!?で
 昔 大学教授をされていたそうです
 アルツハイマーにかかり
 施設に入所してから 10年ほどになるのでしょうか
 私がこの方に出会ってから3年になりますが
 私は関わりが少ないせいか
 よそよそしく接しています
 それでも廊下ですれ違うときには
 「あの・・・すみません」 
 と 声をかけられたりします
 『はい どうされました?』
 「あの・・・実はですね
  私自分の家に帰りたいのですが
  どうやって電車に乗るのかもわからないので
  わかるところまで連れて行っていただきたいのですが」
 この内容が一番多いでしょうか
 『どちらにお宅がありますか?』
 と聞くと その都度お家のあるところは変わります
 「田端です」だったり「鴨宮です」だったり「青梅です」だったり・・・
 なぜそう変わってしまうのかはわかりませんが
 とっさに色々な地名が出てきます
 『そうですか・・・そこは何線でいけるところでしょうか・・・
  田舎者なので 電車にはめったに乗らないんですよ』
 と 困ったような恥ずかしいような表情で答えると
 「あぁ そうでしたか それは失礼しました
  では 他を当たりますので失礼いたします」
 と また歩いていかれます
 その手はいいねぇ なんて影で聞いていた
 職員が言ったりします
 アルツハイマーの特徴を利用して
 『では一緒に行ってみましょう』
 という手もあります
 玄関まで歩くと
 「どこへ行くドアでしょうか」
 という具合に 帰りたい気持ちを忘れてきてしまいます

 この方が 今年に入ってから
 急に症状が進み
 こんな優雅な受け答えもできなくなってしまいました
 あれほど無抵抗だった食事の誘いも
 食べたくない と手をあげるほど嫌がったり
 職員につばを吐くなどという
 病気がそうするとしか考えられないことを
 するようになってしまいました

 忘れてしまう苛立ちと恐怖感
 毎日 どこにいるのかわからず
 何をしたらいいのか見つからず
 誰が話しかけているのかわからないのです
 Yさんのベットで寝ていたり
 ドアを開けて入ってきてしまう事もあるようで
 今日あたりからは Yさんに承諾を得て
 施錠をすることにしました
 逆拘束ですね
 拘束は禁止されていますが
 こういう形で施錠を余儀なくされることもあるのですね
 3月からは介護棟に移動です
 毎日の会話ができなくなるのは寂しいですが
 危険の少ない作りの部屋へ
 移る事になりました
 介護棟でも 手が足りないときに徘徊者のお世話は無理・・・
 と 断ってきたそうです

 アルツハイマーの男性
 これからが心配です
 


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