Yさんの精神科受診日ですが 台風の影響で雨になってしまいました 職場に行くときに Yさんには待っていただいて 私が薬だけ取りに行くことにしようと 心に決めて出かけていきました Kさんの時間を1時間ずらして Yさんの時間をまとまったものにするのですが 一言だけ伝えて行こうと Yさんの部屋によります 台風だから待っていてくださいと伝えると 「いや 行く行く」 と 頑として行きたがるのです 『台風で風も強いし 雨もかなり降っていますよ』 なんて言っても もう決めたとばかり 「行く」 と言います ・・・わかりました 雨の様子を見ましょうね とりあえずKさんのところに入り 1時間 様子を見ることに・・・
1時間して戻ると 部屋の前に立って行く気になっています 『Yさん 待って待って まだ早いから』 あわてて部屋に戻して座っていただきます こうなったら連れて行くしかなさそうです レインコートを着せて 杖をついて行くことにしました レインコートを着たYさんとすれ違う人は 「台風なのに・・・外に出るの?」 と 誰もが聞きます・・・・よね 『どうしてもと言うので ゆっくり行くことにします』 職員も 制すると不穏になることがわかってきたので 「気をつけてね」 と 笑顔で送ってくれます
園バスに吹き付ける風と雨は激しさを増し 『Yさん・・・まだ降りることができますよ お家で待ちませんか?』 「いや行く」 ・・・仕方ない なるようになるか そんなわけで出かけたのですが ちょうど雨脚が弱くなってくれたので 上手いこと傘無しで歩くことができました 『こんな雨の日でも出かけられると 出かけることに自信がもてますね』 「なぁ 雨でも出かけられるんや」 !!なるほど!! 以前 娘さんが付き添って受診していたときに 雨の日だから私だけ薬を取りに出かけたことがあるのです 「足場が悪いから無理ですから」 と きっぱり断る娘さんの顔を Yさんが微妙な表情で見ていたことを思い出しました あれに対する抗議か・・・ やってみたいと挑戦するYさんの気持ちが 嬉しくなります 『台風なのにへっちゃらでしたね すごい!』 Yさんは 嬉しい気持ちに少々興奮気味でしたが 淡々とした様子がたくましく見えます
そんな些細なことが生きる自信に繋がるのですね
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