いっしょくんの日記

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なんとなく 書くんで〜
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2006年10月09日(月)  アザ

 担当のKさん
 おでこに大きな青アザができています
 職員のヘルパーに聞くと
 「自分で起き上がって
  ベットの柵にぶつけたのね・・・」
 このところ衰弱していて
 起き上がらなくなってしまったので
 職員も油断したのでしょうか
 それにしてもアザと言うかコプになっていて
 保冷剤で冷やしているようで
 もうとけきった保冷剤が置いてありました
 保冷剤を取り替えて
 少し水の中で溶かしてから
 ハンカチに包んでおでこにあてました
 「痛いよ・・・芯まで痛い・・・」
 と うとうとしながら言います
 「何も悪いことしていないのに
  どうしてこういう目にあうんだろうねぇ」
 と 独り言のようにつぶやくのです
 Kさんの被害妄想は私が付いたときから
 変わらずに持っていて
 年を取るごとに威力は弱まってはいるものの
 消えることはありません
 こんな思いを持ち続けて
 家族から離れている様子は
 痛々しいものがあります

 Kさんが5年前に選んだ道
 ゛子供たちにはそれぞれの生活があるのだから
  自分は施設に入って暮らす゛
 そのころ抱いていたイメージとは
 かけ離れた生活を余技なくされているのです
 「誰もうちのものが来ない
  こんなところにいるのに 迎えにも来ない」
 そんな思いは 更に被害妄想を掻き立てるようです
 「ご飯の後に飲まされる毒が
  私を具合悪くさせる」
 「熱い・・・熱い・・・だから目が見えなくなった」
 「向こうの窓から私を狙っている」
 「私を殺そうと誰かが来る」
 ・・・とまぁ こんな言葉の連発なのです
 表情もなくなってしまい
 「死にたくないよ 私死んじゃうよー」
 「お母さん助けてー」
 そんな精神状態を1時間でどう変えられると言うのか
 ただただ手を握り
 『大丈夫 大丈夫だからね』
 こんな時はそうするしかないです
 「あんたにしがみつきたいー」
 『しようしようーーー』
 しばらくの間 Kさんと抱きしめあうのです
 
 96歳のKさん
 平安な気持ちで過ごせるようになるでしょうか
 この世に心残りがあるのではないでしょうか
 ゛このままここで死にたくない゛
 帰るに帰れない ここに居たくない
 職員に対する恐怖感 被害妄想・・・
 ・・・精神上いいことないのです
 「何も悪いことしていないのに」
 毎日口癖のようにいう言葉
 被害妄想にさせるような介護をしているのではと
 ヘルパーを疑う気持ちにもなってしまいます

 ナースと相談して
 この妄想の言葉の裏に
 何も裏づけする行為がなかったかどうか
 調べていく必要があるのではと話し合いました
 歴史のある施設なのに
 長く勤めている職員はわずかです
 何かが狂ってしまった大きな歯車の中で
 いったいKさんのために何ができるでしょうか・・・
 


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