くるくるくろりくくろにくる
いんでっくすふるいのあたらしいの


2003年08月23日(土) 螺子巻き

螺子って単語が大好き。
感じもいい。
そもそも螺旋(らせん)って言葉が大好きなので、螺の子供でしょ、オイラには堪らないセンス。
もっとも捩子とか捻子って書き方もあるけどさ。

本日ぼーーーーーと昼下がりのTVを観賞していましたら、色々な修理を請け負う職人さんたちを津々浦々紹介するというなんとも「手仕事にっぽん」の美味しいところだけギュっと凝縮したような私向きの番組に遭遇したのであります。

いやーーーそれだけで幸せ。
メーターだけ直す人。ポスターを修復する人。鋏研ぎ。ZIPPOの修理人。

その中で螺子巻き職人(Japanでっせ)ってのが出てきたさ。

脚立持って(またその脚立が木製でコンパクトでカッコいいのよ)自転車に乗って田舎町を行くわけさ。
で契約している他所様のお宅に上がり込み(大抵は古い商売をやっている家、造り酒屋とか)柱時計の螺子を手先の感覚一つで巻き、最後に音を聞き完了。
「巻く加減は手が覚えてます。音が水平じゃないと時計が狂います。これも聞けば感覚で判ります。そういうことです」
と螺子巻職人は淡々と言います。

未だ明治時代、時計が高価で珍しい物だった時代に先代(職人の父)が町人に売った時計のアフターケアをしているってことですが、職人それに対しても、
「親父が売った高価な時計が狂ったり止まったりしたら皆に怒られちゃうから。そういうことです」と淡々と言います。

なんだか、そんな職業とそんな職業を受け入れている町が存在するってことが、この上も無く上等な気分にさせてくれた。

ちょっとファンタジーな空気も漂うよね。

それにしても、私の「螺子巻き」感って、どうしても世界を掌握しているような恐ろしくも魅力的な感覚に通じている。
それは多分「ミルクがねじを回す時」(by高橋葉介)から始まったものだろう。


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