夢の中で追われるようにビル内を走る ゴム底の靴はリノリウムの床をしっかり噛み 疲れを知らない太ももは無駄な動きなど一切無く 僕の体を加速しつづける
突風が吹いているが頬に感じる事は無く 視界もクリアー 前方の一点を見つめつつも 俯瞰からの視界が現在地を把握させる
階段を飛び降り下へ下へ
体重は軽く遠心力を持つくらいにしか軽くなく アゴが床に着くかと思わんばかりの前傾姿勢は じきに体を意識させる事が無くなり ただひたすらに前方の一点 のみを意識させる
視界の中心だけがはっきりし 周辺は流れる線に
まっすぐ全力で 走りつづける
ただ前に向かう意識のみ
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